4753回目の2022年7月13日

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僕は、震える唇にそっとキスをして、不ぞろいな歯を舌でなぞった。 これで、彼女は死ぬことはないだろう。 けど、とうとう彼女に真実を伝えられなかったなー。 僕は彼女の彼氏じゃない。 本当の陽一くんは、美紀が死んだ翌年に幸せな家庭を築いた。 あれ? 後追い自殺だったけな? 今日の僕は、自分が誰だったのかさえ思い出せずにいた。 EX-Girlfriendの最後の機能。 それは、他人に成りすませること。 この世界では、誰にでもなれるんだ。僕はその機能で陽一くんになった。 ベランダの向こうに広がる夜空に、北斗七星が見えた。 ああ、そうだ。ひとつ思い出した。 美紀、下着を盗んで、ごめんね。 心のなかでそう告白するなか、僕もゆっくりと目を伏せた。 EX-END.  
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