4月

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「やっと二人きりになったね。」 気のせいか顔が赤くなっている気がする。 「話って?」 「あのね…付き合ってくれない?」 「……」 え?突き合う?痛くない? 「なにで?」 なにで突き合うのだろう 「ん?なにが?」 この反応…まさか…そんなでも… 「スミマセンモウイチドイッテクレマシュカ?」 噛んだ 「好きです、付き合ってください。」 わーお。 「なんでいきなり?」 入学初日に告白なんてありえないっしょ 「一目惚れってやつかな!えへへ///」 かわいい!かわいいぞ! 「僕なんかでいいの?それにまだなにもしらないでしょ?僕のこと」 「私は知ってるよ君のこと…」 「え?」 「ううん、なんでもない!」 「それで返事聞かせてくれないかな?」 返事か…そうだよな…でもいきなりでよくわかんないし。 ただ彼女はほしいよなぁ、こんなかわいい子だし。 「じゃあまずは友達から始めない?」 そうだこれでいい、お互いのことよくわかってからのほうがいいと思ったからだ。 「だめか?」 「だめじゃないよ!それじゃこれからよろしく!えーっと…朧くん?朧くん!」 下の名前…きゅんきゅんくるぜこのやろー! 「あ、ああよろしく朝比奈。」 僕は名字で呼べばいいだろう。 「は?」 「え?(笑)」 「下の名前で呼べよ。」 「はい瑞希さん」 「ふふっよろしい!」 変わった人なのかな。 『キーンコーンカーンコーン』 5時を知らせるチャイムだ。 「もう5時だな。そろそろ帰らない?」 「そうだね。あ、朧くん家どこ?」 「ん?白街のほうだよ?」 白街は黒街を通りすぎて少し行ったところにある。 「じゃあさ、一緒に帰らない?ほらあの辺最近物騒じゃん?」 あの辺? 「瑞希家どこなの?」 「黒街」 「なるほど」 そういうことか、事件が起きた場所… 「ほんと怖いよね、死んだ原因がわかんない事件だなんて。」 瑞希はほんとに怖がっているようにみえる。 「そ、そうだね。じゃあ行こうか。」 二人で教室を後にした。 この後起こる悲劇を僕はまだしらなかった。
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