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「ねぇ、この世界がさ、僕にはゴミ箱のように思えるんだ」
僕は灰色のコンクリートの道を歩きながら言う。
「だからさ、みんな平気な顔してゴミをすてるし、ガムを吐き捨てるんでしょ?」
「君だってきっと、やったことあると思うよ?もちろん、僕だって」
「どこに行ったって、どこを歩いたってゴミだらけ。知ってる?あの富士山だって近くでみたらゴミ山だよ」
「全部僕らがやったんだ」
そういって僕は転がってる空き缶を蹴っ飛ばした。
「じゃあさ、君はゴミってなんだと思う?要らないもの?汚いもの?」
「じゃあ僕らもゴミなのかな?」
少しだけ顔をあげると、街灯に負けじと月が輝いていた。
もちろん、星は見えない。
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