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俺は何時もの様に
数人に囲まれ暴行されていた。
何時もと違うのは誰かを
庇っていたって事だろう。
入学式の時彼女を見た。
俺はその時恋に落ちた。
好きな娘の前で一方的に
殴られ続けるのは
正直悔しいけど俺が殴られば
恐らく彼女は助かるだろう。
そんな風に俺は考えてた。
てかそろそろ気絶しそう……
「なぁこいつ倒れたら
あいつヤっちまおうぜ?」
俺を殴ってる奴らの
一人が口を開いた。
「…今何ていった……?」
俺は聞き返した。
何だろうこの気持ちは?
俺の中で今にも何かが
はち切れそうになってる。
「あ?まだ喋る元気があるんか?
だからお前ボコッたら
あいつをヤるつったんだよ!!
魔族の奴なんかどんな
事しても関係無いしな(笑)」
俺は勢い良く腹を蹴られた。
この瞬間俺の中の何かが
音を立ててブチ切れた。
「…っざけんなよ!?」
俺はそいつの鼻っ柱に
右の拳を全力で叩き込む。
「ぐあぁぁぁ!?」
鼻を抑えながら悶える。
「何やってんだてめぇ!?」
別の奴が殴りかかってきた。
が、何でだろうか?
すごく遅く感じていた。
「彼女がさぁ!!」
俺は軽くいなし左の
拳を顎にぶち込んだ。
「がっ!?」
糸が切れたかの様に
膝から崩れ落ちる。
「何をさぁ!!」
続けざまに別の奴の腹に
蹴りを放っていた。
「ぐっふぅぅ!?ブロォァッ!?」
腹を抱えて倒れ込み嘔吐した。
「したんだよ!?あぁ!?」
俺は蹴った反動を活かして
リーダー格に蹴りを放った。
「よっ!」
だがその蹴りは虚しく
風音を立てて空を切った。
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