7、らくがきに紛れた僕のキモチ

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なに、俺がいない間に君ら…。 「ごめん。いつも呼んでたから、つい」 「は?いつもっ?」 「……ん?」 馬鹿だ。 「お、おめでとう?2回続けてそこの席になるなんて、ある意味強運っす」 「凶運ね…」 …ふーん。お前だけお近づきになったワケだ。 ってことは、あの子とも…―。 「入院生活暇だったろ」 「うん、まぁ」 「針で縫ったんだろっ。痛かった?」 「んー…?」 俺を囲んだ友人からの問い掛けに相槌を打ちながら、教室内を見渡す。 まず最初に視線を向けた先は。 ……ん? 「鮫島?」 「……」 「お前病室に、ノリってもんを忘れてきたんじゃないか!?」 ワラワラと集まる男共が、俺の視界を遮る。 肩やらどうやらに遠慮なしに飛び掛かってくるもんだから、完治してない傷が疼いた。 「お前らいてぇ、よっ」 けど、その痛さなんかよりも意識が向く場所。 ベランダ側窓際の、一番後ろの席。
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