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学校で生活する上では幸せだろうけどね、と階段を一段ずつ飛ばして降りるミウちゃんの後ろを、私は急ぎながら一段一段降りるんだった。
その日の夜。
『先生、このクラスにはイジメがありましたっ』
『そ、それは…本当か?』
私は自室の15型テレビで、学園ドラマを見ていました。
画面の中では、イジメが原因で女の子が自殺。
イジメがあったと生徒に言われ、たった今初めて知ったという先生の顔。
“死んじゃった後に言っても…”
そう思ったけど、死んだ後だから言えたのか、と考え直す。
ナレーションが流れ始めたので時計を見ると、いい時間です。
『そのうち花瓶に花を挿すこともなくなったクラスメイト。
ある日、机の上から花瓶は消え…ポツンと机だけが在り続けた。
人生という名の綾花の壇上から、スポットライトは消えたのだった』
…花、か。
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