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死ぬということは
モノクロの世界が広がっているのかな
そこに
色はない?
そもそも
死後に世界はあるの?
―…
『鮫島、お前宿題やってる?』
『やってるけど。俺より、ちゃんと解けてる奴の写したほうがいいよ』
『自分でやれとは言わねんだっ?』
『俺、間宮の母ちゃんじゃないもん。そこの女子とかに聞いてみれば?』
『どれよ』
『机に座ってる、ほら』
あの日、ミウちゃんは他クラスに教科書を借りに出ていて、教室には居なかった。
だから休み時間にも関わらず、私は机の上にノートを広げて格闘していたのです。
目を泳がせてザッと辺りを確かめると、机に座ってる女子は私、1人。
『ねぇねぇ』
私を呼んでる、で…あってるのかな。
『こっち向いてくんない』
『聞こえてないんじゃない?』
『なら、鮫島呼んでみて』
『おーい』
『やる気ねぇなぁ』
『お前ね…』
いや、でも…振り向いて違ってたら恥ずかしい。
『鮫島フラレた』
『いやいや、実は粕ニさんは宿題に必死だったりすんだよ。お前と同士』
『よし、やっぱりサメジマノートしかないっ』
『…あーあ、間違ってても知らね』
会話は丸聞こえ。
男子が呼んでいたのは、私であっていた。
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