2、memory 今を思い出す日のため

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そういえばサメジマくんとは、何度か話したことがあった気がする。 夢を見たことで初めて気付くくらい、私とサメジマくんの間に、接点はなかったってこと。 私がサメジマくんを知ったのは…。 ―… 『ニノ、ニノの席見つけた』 2年生になって最初の席順が、廊下の窓に貼り出されてて、ミウちゃんと食い入るように見たのを覚えてる。 『どこー?』 『残念。アンラッキー席』 『…な、なんて不吉な呼び名なんだ』 『座れば分かるよ』 哀れむような顔のミウちゃんに私は不安を抱きながら、教えてもらった番号の席に座った。 ……。 『今日からこのクラスを受けもつことになった…―』 教壇に立ってはじめの挨拶をする先生との距離、推定30センチメートル。 とても首が痛いです。 ホントにアンラッキーだ…。 後ろを振り向いて顔をズラすと、無難な席に座るミウちゃんを発見。 その満面の笑みに、私はゆっくり、体を正面に向けるんだった。 『誰と同じクラスになったのか知るためにも、自己紹介でもするか』 う…嫌だな。 私はあまり、こういった自己紹介の場に、いい思い出がありません。 『じゃあ…廊下側の席からいくか』
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