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そういえばサメジマくんとは、何度か話したことがあった気がする。
夢を見たことで初めて気付くくらい、私とサメジマくんの間に、接点はなかったってこと。
私がサメジマくんを知ったのは…。
―…
『ニノ、ニノの席見つけた』
2年生になって最初の席順が、廊下の窓に貼り出されてて、ミウちゃんと食い入るように見たのを覚えてる。
『どこー?』
『残念。アンラッキー席』
『…な、なんて不吉な呼び名なんだ』
『座れば分かるよ』
哀れむような顔のミウちゃんに私は不安を抱きながら、教えてもらった番号の席に座った。
……。
『今日からこのクラスを受けもつことになった…―』
教壇に立ってはじめの挨拶をする先生との距離、推定30センチメートル。
とても首が痛いです。
ホントにアンラッキーだ…。
後ろを振り向いて顔をズラすと、無難な席に座るミウちゃんを発見。
その満面の笑みに、私はゆっくり、体を正面に向けるんだった。
『誰と同じクラスになったのか知るためにも、自己紹介でもするか』
う…嫌だな。
私はあまり、こういった自己紹介の場に、いい思い出がありません。
『じゃあ…廊下側の席からいくか』
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