452人が本棚に入れています
本棚に追加
保健室、と書かれた文字を見上げる。
空から遠のいてしまったけど、自然と足を運んでいる私がいた。
カラカラ
「…先生?」
いないの?
中の様子を伺いながら足を踏み入れると、鼻をくすぐる消毒液の匂い。
この匂い、ちょっと好きだったりする。
お昼休みだし、先生は職員室で昼食をとっているのかもしれない。
キシ
上履きを脱ぐと、ベットに片膝を乗せる。
私がこの間、寝かせてもらったベットだ。
頭が向くほうはすぐ壁で、調度いい高さに窓がある。
枕をどけて、そこに正座を崩した形で座ると、窓の桟に腕を置いた上に頭を乗せる。
グラウンドに出て昼休みを過ごす男子の声を、暫くボーッと聞いていました。
「……」
腕が痺れてくると、左右逆に組み替える。
今度はそこに、顎を乗せた。
そしたら窓の桟に埃が溜まっているのが見えて、フゥと何気なしに吹いてみると、舞った埃を吸い込んでむせてしまうんだった。
「ケンッ、ケン…ケホ」
最初のコメントを投稿しよう!