5、遊園地の巨大迷路に必ずゴールがあるように

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そんでもって。 …優しいと思う。 仲が良いとか、関係なしに話かけたりするから、クラスの中心的存在で…人気者で。 そんな人が居るからなのか、去年の運動会では“一致団結で賞”を貰えたし。 合唱コンクールもレクリエーションでも、そういった賞を貰ってた。 ちょっぴりそれが自慢で、他のクラスの子に羨ましがられたりもしたっけ。 「なんだ…。私結構知ってる」 そして、サメジマくんは死んだ。 居なくなっちゃった。 「進級して、最初にラッキー席に座るのは誰かな…」 目に映る空には、さっきまで無かった飛行機雲がある。 あの席に座ることが、本当に幸せなことなのか。 「確かめてみたいな…」 別に、後を追って死にたいとか…思わない。 それくらい好きならもっと早くに気付いてただろうし、彼が生きてる間に、告白しようかなって悩むことくらいはあっただろうし。 そもそも。
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