6、まぬけな彼女と間抜けた時間

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  「羨ましい。私と席替えしようか」 「嫌だよー」 「ん゛んん」 休み時間。 私の机の横でミウちゃんが唸る。 「ニノぉ」 「クスクス。何度言われてもダメなものは、」 「違う違う。ニノ」 「? はい」 「くじ引き、なんでずっと握ってるの?」 机の上に置いてある私の手を見下ろすミウちゃん。 「…これ?」 7と書かれたくじ引きを顔の横に並べると、私はまた笑みが零れる。 「ラッキーセブンって、このことを言うのかなー」 「ん?どゆこと?」 ミウちゃんが顔をしかめる。 私が窓の外に顔を向けると、首を傾げてしまうんだった。 伝えられないことを、悔やむ私はいるよ。 サメジマくんのこと、まだもう少しだけ、好きでいてもいいですか? どんなにサメジマくんを想っても、涙は出なかったんだ。 だけど、忘れるなんてことも出来なくて。 今もふいに、思い出がみつかるんだよ。 それはホントに些細なことで、私にしか分からないようなことばかりだけど…。 自然と笑えるんだ。 サメジマくんの眩しいくらいの笑顔が、伝染したみたいに…―。
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