6、まぬけな彼女と間抜けた時間

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「お」 先生はふいに、教室の戸のすりガラスに目をやると、入口に向かって歩いていく。   私はその様子を半開きの口のまま、目で追った。 ガラ 「…おかえり。入りなさい」 「…はい」 教室の外から、低い声が聞こえた。 間宮くんの姿が先に見えて、次に教室に入ってきたのは…―。 ……。 私の開いた口が、塞がる。 教室内には一層、クラスメイトの歓声が沸き起こった。 そして、入口に立ったままの君は、 「俺、愛されてんね」 照れながら、笑った。 ガタタッ 「……」 気付いたら、その場に立ち尽くしていた私。 うそ…。 なんで。 本当に? いろんな感情が込み上げてきて、両手で顔を覆った。 前より声が低くなった気がする君の 変わらない笑顔。 サメジマくんが…― ポソ 「…てる」
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