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キーン…コーン
授業の終わりを知らせるチャイムが鳴ると、一斉にイスを引くクラスメイト。
「ニノ、次体育だよ」
「あ、待ってミウちゃん」
ニノと呼ばれて机の下から顔を出したのは、私。
粕ニ(カスニ)ののかと申します。
机の奥を覗きながら、
「さっき授業中に書いたミウちゃん宛の手紙、どこやったかなぁ…」
なんて独り言を言う。
そうこうしている間に、教室には誰1人と居なくなった。
「早く行くよー?」
「はーい…」
見当たらない。から、後で探そう。
私は駆け足で教室を出ようとした、その時だった。
カシャンッ
後ろで何か、落ちる音が聞こえた。
「……?」
手を戸に添えたまま、私は首を回す。
開けられたままの窓から風が入って、白いカーテンが踊っていた。
キシ…
今どき珍しく、教室の床は組み木のフローリングなので、軋む音を耳にしながら音のしたほうに近付いていくと、誰かのシャーペンが落ちている。
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