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久々に見る校舎を、間宮の隣で見上げた。
「サンキュ」
送ってくれた母親に礼を言うと、クラクションを鳴らしながら車は去っていった。
足元のタンポポは、柔らかそうな綿毛をつけて出迎えてくれる。
「鮫島っ」
友人は少し前を歩きながら、こっちこっちと病み上がりを急かす。
「フ。知ってるって。学校に来るの、これが初めてじゃないんだし」
「ハハッ、それもそうか」
「相変わらずテンション高いなっ。最高学年になったんだから、ちょっとは落ち着きなよ」
「はいはーい。にしても、鮫島はよく進級できたな」
「俺頭いいもん」
「もん、じゃねーよっ」
「それに。ちゃんと進級テストは受けに来たし」
「まじ?知らせろよ」
「退院したばっかで、まだ絶対安静だったんだよ。間宮達に知らせたりなんかしたら、治ってないとこ弄られそうで」
「おー、よく知ってんじゃん」
「ハハ、やっぱり」
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