7、らくがきに紛れた僕のキモチ

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学校の匂い、久しぶりだ。 「匂いなんてあるか?保育園じゃねーんだし」 「あるよ」 毎日来てた時は、気付かなかったけど。 「松葉杖、使わなくて大丈夫なん?」 「それ、全然慣れないんだよね」 間宮に松葉杖を託して、手すりに体重を預けて階段を上る。 前を行く間宮は、なんだかんだ俺の体を気遣ってくれてるみたいだった。 一番酷かった足の怪我が完治するのに、まだこれから2ヶ月かかるらしい。 「俺が先に教室入ってさ、怪我しちったーってやってい?」 松葉杖を片手に不謹慎な話を持ちかける間宮を、小突いてやりたいという衝動は抑える。 「いいけど。俺に対する感動は薄まらない?」 「んー。薄くなるかもっ」 「却下」 ハハッ、と笑う間宮の顔を見上げながら、あの事故の日のことを、ふと思い出した。 『やっべー!外雪降ってるぞっ』 『間宮落ち着け』 この町では珍しく雪が降って、地面が凍るほどの寒い日。 『ちょ、先生。俺に言うなら鮫島にも言ってよー』 『…鮫島。まだHRの最中なんだが…帰ろうとしないでくれるか?』 『ハハ…了解っす』 先生達が心配する中、俺達は帰路についたんだった。
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