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『お、と、まっ』
『さっきから安藤の声が面白すぎる件』
『だって滑っ、る、だもんっ、よ』
『ハハッ』
最初ははしゃぎながら帰ってた友人も、滑る地面にハンドルをとられガードレールにぶつかりそうになったり。
だから途中、皆自転車から降りて、押しながら帰ることにしたんだ。
『鮫島。信号青』
『いや、分かってんだけどさー。白線の上すげぇ滑るっ』
『ハハ、気をつけろよー。歩道のど真ん中で転ぶとか赤っ恥っ』
そんなのはごめんだと、友人の笑い声を聞きながらやっと半分の所まで来たとき。
『え』
誰かが何かに気付いて。
『危ない!』
その声が聞こえた瞬間、俺の視界は反転した。
ドンッ
『っ鮫島!』
…ドサ
『お、おおおいっ。鮫島!』
『ッ……ク』
『腹かっ?どこか痛いのか!?』
『ま間宮…鮫島の、足っ』
『え…?』
『っっ血がやばい』
只でさえ見晴らしの悪い歩道に、スリップした車が2台。
俺の体を撥ねた。
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