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「先生の話終わってるかな」
教室の前。
閉じられた戸の向こうで、先生らしき人影が動いていた。
まだ俺のことは知らせていないみたいで、間宮にじゃがむよう命じられる。
コソ
「なんでっ」
「先生が言う前に見つかっちまったら、つまんねーだろ」
まだ足治ってないんだぞ?
なんとかその場にしゃがみ込むと、間宮と息を潜めて待つ。
「先生、間宮がいませーん」
ハハッ…安藤の声だ。
「あぁ、それは後で分かる。んじゃ、連絡事項言うぞー」
後で分かる、って…フラグ立てるの下手だな先生。
「クッ」
コソ
「鮫島っ。あと少しの辛抱」
ダメ。俺もう笑っちゃいそう。
それに、隠れるだなんて大袈裟なんだよ。
そりゃ酷い事故だったけど、皆俺が助かってることは知ってるんだし。
「最後に」
戸の向こうから聞こえた先生の言葉に、やっとか、と間宮の顔を見る。
コソ
「足痺れた…」
「……」
お前がしゃがむって言ったんだよっ。
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