7、らくがきに紛れた僕のキモチ

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「鮫島が居なくなって、4ヶ月が経った」 長かったな…ホント。 「んんっ。早いもんだな。けど、長かった気もする」 …長かったよ。 教室はやけに静かで、妙に落ち着かない。 クラスの皆は、どんな気持ちで聞いてるんだろ。 …いざ教室に入って無反応だったら、この隠れてる行為がどれだけ恥ずかしいものになるか。 「欠けると気持ち悪いくらい静かで…」 その言葉と同時に、ザワつき始める教室。 間宮がニヤけながら、肘で俺の横腹を突いてきた。 ぶっちゃけそこも、まだ痛いんす。 ……。 自分でも緊張してるのが分かる。 学校に来る途中、車の中。 皆に忘れられてないかとか、4ヶ月も会ってないのに皆の話についていけるかとか、不安だった。 「……」 「…鮫島?」 事故に遭った瞬間、体が宙を舞う瞬間に、後悔したことがある。 “メアド聞けばよかった” “もっと話かければよかった” “もっと自分を知ってもらえばよかった” “気持ちを伝えればよかった” その瞬間、君がどんな顔をするのか見てみたかった。
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