7、らくがきに紛れた僕のキモチ

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これで終わりなのかもしれない。 なら、迷わずに伝えておけばよかった。 後悔した。 1年の時から同じクラスで、もうずっと好きだったのに…何やってたんだろ。 見舞いに来た友人にこの話をすると、皆口を揃えて言った。 『らしくねぇっ』 好きな子の前では、自分らしさなんて無になるんだよ。 「でも」 ハッ 耳に届いた先生の声でハッとする。 先生は笑って話をしている、そんな気がした。 「それも、昨日までだな」 ザワ… ザワザワ 「じゃあ先生」 「続き、続きはっ」 ちゃんと覚えていてくれたことを、騒がしくなった教室が教えてくれて、自然と俺の口角が上がる。 「鮫島」 「?」 差し出された間宮の手を取ると、間宮は自分の肩に俺の腕を回す。 間宮の肩を借りて、俺は立ち上がった。 「もう通学出来るそうだから、今頃こっちに向かってるんじゃないか?」
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