7、らくがきに紛れた僕のキモチ

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一点を見つめたまま固まった俺の視線を辿る友人は、首を後ろに回す。 そして、俺と粕二さんを交互に見た。 鈴原も後ろを向いて、様子がおかしい友人の名前を呼ぶ。 「ニノ?」 “ニノ” 前に、なんでそう呼ばれているのか聞いたことがあったな。 苗字の最後と、名前の最初の文字を、繋げてあるんだっけ。 「あの」 俺は無意識に口を開いた。 未だ顔を覆う粕二さんに、言葉を投げかける。 「俺、なんかした?」 「…頭の包帯が大げさだ、って言ってる」 言ってないし。 横から割って入ってきた安藤はスルーしようかと思ったけど、 「…お前ね。包帯見えてるんなら、もう少し手加減しろよ」 そんでもって、この空気をよんでください。
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