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「…ねぇ、聞いてもいい?」
「なんだ」
沈黙が嫌になり、美咲から話しかける。
土方は美咲を見る。
その目は、何かを語っていた。
分かってるよ。
あのことは聞くなって言いたいんでしょ。
でも、約束破ったんだから、聞くよ。
「…なんで、芹沢さんを殺したの?」
美咲の問いかけに、土方は美咲を見たまま答える。
「誰かから聞かなかったのか
芹沢先生を殺したのは長州の輩だ、いずれ仇を取らなくてはならない」
「殺さなきゃならないほど、芹沢さんは悪いことしたの?」
土方の目を真っ直ぐ見る。
土方の目は少し怖かったが、ここで引き下がるほど美咲は素直な人間ではない。
数秒間、見つめ合う。
「…何故飲み屋の段階で、俺たちが芹沢を殺すと分かった」
ついに土方が折れ、逆に質問を投げかけた。
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