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「…おーい?どうしたんだ?」
呆然とする美咲を心配して、美咲を抱きかかえてくれた男は声をかけるが、それどころではなかった。
「(なんなの、タイムスリップとか!意味分からない!
つーか本当にそんなことが起きるの!?
なんで私なの、気持ち悪い歴女とかオタクでいいじゃん、人を選べ!
あーもう、最悪最悪最悪!!)」
「…おーい、嬢ちゃん?」
やり場のない怒りの言葉を並べ終え、うなだれる。
美咲を抱きかかえてくれた男は、様子のおかしい美咲の肩を、恐る恐る触れようとする。
「………ねぇ!!」
「うわっ!?」
男は突然大声を出した美咲に驚くが、気にもとめず、美咲は男にずいっと詰め寄る。
「私、この時代の人間じゃないの!
今の将軍の名前、なんていうの!?」
「…は!?え、この時代じゃないって、どういう…」
「言葉の通り!
とにかく、なんて人!?」
日本史は得意というわけではなかったが、有名な将軍の名前ぐらいなら分かる…はずだ。
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