飛ばされた先は、

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「と…徳川十四代目、家茂様だ」 「……………」 駄目だ。 全然ピンと来ない。 だが、確か徳川は十五代で終わりだったはず…だよね。 だったら、坂本龍馬とかが活躍してた、幕末とかいう時代なのかもしれない。 「あー…うん、なんとなく分かった」 「おい、何を一人で納得してやがる この時代の人間じゃねぇって、どういうことだ?」 鬼みたいな人が、美咲に話しかける。 この人、逆らったら駄目なタイプの奴だ。 何故かそう悟った。 「私は、2013年に生きていたはずなんです」 「2013年…? 150年も先の世から来たって言いたいのか?」 「だ、だって、そうとしか言えないんです 私だって、なんでこんなところにいるのか分からないし…」 150年…ということは、この時代は1863年となる。 実際の数字を聞いたら、急に怖くなってきた。 なんで自分がこんなところにいるのかも、未来に帰れるのかも、分からない。 信じてももらえない。
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