飛ばされた先は、

2/16
前へ
/97ページ
次へ
あーもう、意味分かんない。 分からないけど…私、きっと死んだんだ。 この世にいても意味ないから。 でも、なんだか暖かい。 何か暖かいもの…人肌のような温もりのものに、抱き起こされてる感覚がする。 天国? …それにしては、やけに感覚がリアルだ。 「………!…」 …え? 誰かの声? 聞いたことのない声…男の人の声が、微かに聞こえた。 大声で何かを叫んでいるように聞こえる。 少しして、何を言っているのか、分かるようになった。 「い…おい! しっかりしろ、嬢ちゃん!」 「…ん……嬢、ちゃん…?」 微かに目が開くと、男の人がぼんやり見えたような気がした。 「おお、目覚めたか!!」 「きゃあああっ!!?」 「うわあっ!!?」 突然の大声に驚いて悲鳴をあげると、男の人は逆に美咲の悲鳴に驚く。 男の人に抱きかかえられていたけど、反射的にさっと離れた。
/97ページ

最初のコメントを投稿しよう!

238人が本棚に入れています
本棚に追加