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「…何でそうなったのかは分からないけど、部屋にいたら、いきなり天井が光ったの
そこで一回記憶が飛んで、今、目を覚ましたら…」
そこまで話したけど、こんな非常識な話、信じてもらえるわけがない。
現に、鬼みたいなオーラを出してる男の人は、眉間にとても深い皺を寄せている。
「…別にいいけど
信じてもらえないって分かってるし」
「あ、あまりその人を刺激しないほうがいいぜ」
「え?」
鬼みたいな人にそう不満げに言うと、美咲を抱きかかえていた男の人に小声で耳打ちされる。
よく分からないけど、取りあえず言葉に従っておく。
「しかしまぁ、本当にそんなことが起きるんだな
てっきり作り話の世界かと思ったぜ」
屈強そうな男が、そう呑気に呟く。
「…だから、作り話なのかもしれないんだ」
「え、そうなのか?
嘘付いてるようには見えないぜ?」
冷徹そうな男につっこまれ、しかし屈強そうな男は、とぼけた声を出す。
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