この時代の現実

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「最初、あんたが芹沢さんにお酒を勧めてて、おかしいなって思ったの 原田さんがお酒を全然飲まなかったことも、不思議だった」 美咲の話を、土方は美咲をじっと見ながら聞いている。 「でも、何より芹沢さんの近くにいるあんたと沖田さんから、嫌な空気…殺気みたいな空気が出てた そこで、よく分からないけど、芹沢さんを帰しちゃ駄目な気がした」 「…なるほどな」 何がなるほどなのかは分からないが、土方は背中をべったりと塀につける。 「極力普通通りを装ってたつもりだったんだが…」 「どこが 不自然でしかなかった」 「そうか…俺もまだまだだな その点お前の演技力は凄かったな、酔っていたのか?」 「全然。日本酒嫌いだから、やることなかったの だからいろんな人を見てたら、不自然なところに気づいた」 「…そうだったのか、俺の計算違いだったか」 悔しそうに苦笑いを浮かべる土方。 ゲームで負けた子供のように悔しがっていて、不気味だ。
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