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「今度は私の質問に答えて
なんで芹沢さんを殺したの?」
不気味さに耐えかねて、話題を変える。
「…芹沢が横暴な行いをする、っていうのは知っているな?」
「聞いたことある」
「その横暴がいきすぎて、松平公っていう新選組を預かってくださっている方から、直々に芹沢を消すように命令された」
「……!」
そんなこと、有り得るのか。
時代劇とか危ない系の映画では見たことがあっても、美咲にとっては空想の世界であった。
「…だから、殺したの?」
「ああ」
土方は事も無げに、平然と答える。
「剣を所持することが犯罪であるお前のいた時代では、異常なのかもしれねぇな
だがこの時代では、これが現実なんだ」
「だからって…人がこんな簡単に死んでいいの?」
「………」
土方はどこか一点を見つめたまま。
「…俺たちは命令には逆らえられない
逆らったら生きていけないんだ」
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