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「………」
命令に背けば生きていけない。
新選組が危ない立場にいることは最近分かってきたが、だからって、もっと穏便な解決策だってあったはずだ。
「…実は新八も、今回のことが暗殺だってことに気づいた
だがアイツは、俺たちの立場をわきまえている…俺たちが殺したと気づいていても、暗殺犯は誰なんだ、と聞いてきたんだ
和泉のように質問できないアイツの苦労も分かってやれよ」
回りくどい言い方をするが、つまり、これ以上の詮索はするなということ。
美咲自身もこれ以上聞いたら駄目な気がしていて、土方と同じように、塀に背中を預けた。
「まぁ安心しろ、このことがバレたからって、お前や新八をどうするわけでもない」
「…どうも」
「そろそろ戻れ、夕餉の時間が遅くなる」
土方に肩を叩かれ促される。
素直に従い、屯所へと戻った。
「(この時代、おかしいよ
…絶対に生きて帰ってやる)」
夕日は、山の向こうに沈みかけていた。
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