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「見つけた!」
「!?」
朝餉の片付けを終え、掃除に向かう途中に、斎藤を見つけた。
嬉しくて近づくと、斎藤は逆に遠ざかる。
「お…俺に関わらないでほしいと言わなかったか?」
「言われた!
でも、なんで関わらないでほしいのか、理由は聞いてない!」
「お前には関係ない」
「関係ある!教えてよー!」
「………」
斎藤は一定の距離を保ち続ける。
「私、絶対に理由聞くまで諦めないからね!」
「…勝手にしろ」
冷たい態度のまま、斎藤は再び美咲の前から姿を消した。
むっすーと頬を膨らませて、斎藤が消えた方向を見る。
絶対絶対、絶対!
諦めない!!
そう心に誓って、早く掃除を終わらせるために、一生懸命腕を動かした。
その後。
巡察に行く直前、稽古終わりなど、いろいろな場面でアタックをかけたが、良い結果は出ず。
しかしそれでも、決して美咲は諦めなかった。
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