苦手なもの

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俺は斎藤一。 新選組という部隊の、三番隊組長を担っている。 よく一人で行動することが多く、冷酷で情に薄い人間だと思われがちだが、そんなことはない…はずだ。 ただ単に、他人と行動を合わせることが疲れるだけだ。 一匹狼なんて綺麗な言葉で括られるとは思えないが、他人がとやかく言うことに関心はない。 そんな俺に、今、危機が迫っている。 危機の原因は、数ヶ月前突然光と共に現れた、一人の女。 今まで干渉して来なかったのに、今日になって、何故か俺に関わろうとしてきた。 いや、何故か…ではないな、女はしっかり理由を言っていた。 俺がその女と関わらない理由を聞きたがっている。 そんなこと教えたって何にもならないのに、今日は怖いぐらい執拗に絡まれた。 その女が少しでも視界に入ったら、極力逃げて、やり過ごしてきた。
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