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「っ…仕方ないだろう、苦手なものは苦手なんだ
俺は、お前の慕う永倉や原田のように、女と酒を飲むことに一切の楽しみを見いだせない」
言い訳をしたって、なんの意味もない。
子供っぽくて面倒な奴だと思っているのだろう。
現に、女は俺のことを引いてから、何も話さない。
「…なんだ、そんなことかぁ」
………は?
そんなこと…だと?
「お前にとってはそんなことでも、俺にとっては…」
「違う違う、そういう意味じゃなくて
てっきり私が何かやらかしちゃって、怒ってるのかなぁって思ってたの」
「………?」
良かった良かった、と女は笑顔をこぼす。
…この女は、普通の女とは違う気がする。
なんとなく、そう思った。
「ねぇ、なんで苦手なの?」
「お前には関係…」
「関係ある!」
きっぱりと断言する女。
何を根拠に…とは思ったが、自然と苦手な理由を話していた。
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