第1章 隣の空席

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「待って!もし好きな人とかいないんだったらまた会ったとき話しかけてもいいかな??俺あきらめ悪いからさぁ。」 彼の言葉に私は一瞬歩くのを止めて「うん。」とだけ言って屋上のドアを閉めた。 バタンとドアが閉まる音と同時に私は溜め息をついた。 いくら付き合う気がないといえ、やっぱり断るのはあまり気分がよくなかった。 …だからといって付き合う気もないのだけれど。 そう思ってしまう自分は冷たい人間なんだろうなと思いつつ、そう思うのも私らしいのかもと苦笑いしながら屋上の階段を早足で掛け降りて行った。
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