第1章 隣の空席

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「えーっ!もったいない!!断っちゃったの??」 5時間目は数学の先生が早退したため自習だった。 「ちょっと夏希、あんまり大きい声で言わないでよ」 「大丈夫だよ。みんな騒いでるし、誰も聞いてないって。」 そう言って楽しそうに笑っている目の前の彼女の名前は日向夏希。私の親友だ。 背が小さく、髪は肩に着かないぐらいの長さで緩く巻いてる。表情がコロコロ変わるのでいつ見ても飽きない子だ。 「2組の雄也君ってかっこいいって有名なんだよ!!おまけに優しいし性格いいし。」 「へー。」 「へーじゃなくて!!断っちゃって本当によかったの??」 バン!!と夏希が手の平で思いっきり机を叩くとあまりの音の大きさにさすがに何人かの子が何事だろうと振り向いた。 「だって知らない人だったんだよ?それに好きじゃないし。」 「うわーそれ雄也君が好きな女子に聞かせてあげたいわ。絶対怒るよ。」 そう言いながらも夏希は楽しそうだった。
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