第1章 隣の空席

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「あーもうわかんないよ!」 翌日、昨日の事がなかったみたいに私はいつも通りの朝を過ごしていた。 目の前では夏希が涙目で今日までの宿題をやっていた。 「だいたい日本史宿題多いんだよ!!水嶋先生も少しくらい減らしてくれればいいのに。」 「それはそうだけど、夏希はいつもギリギリなんだよ。」 「そ、そうだけど。」 そう言うと夏希はしょんぼりとした。 「真由香は終わった??」 「うん。もうやった。」 「うそっ??」 「そこでうそついてどうするのよ。」 「お願い!!見せて下さい真由香様!!この通り」 「しょうがないなぁ。」 とは言いつつもあまりにも必死に手を合わせてお願いしてくるからつい笑っちゃった。 「ホント??やった!!これで今日は怒られなくて済むよ🎵」 「今日はじゃなくていつもでしょ??」 「あっ、そうだった。」 さっきまであんなにしょんぼりしていたのに今はにこにこ笑ってる。 面白いくらい表情がコロコロ変わるから本当に見てて飽きないなぁ、この子。
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