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「あれ、もうお客さん?」
「違うよ、バイトの面接さ。
ほら、西くん来月で辞めちゃうだろ?」
あぁそうか。と納得して肩に掛けていたバックを降ろした。
「おっと…そうだ、紗夜ちゃん変わり無かったかい?」
「あぁ、全然異常なし!
前より確実に良くなってきてるって言うから、薬も軽めのやつに変わったくらいで。 今度来るのは半年後でいいって言われましたよ!」
「そうかい! そりゃ良かった良かった!
それじゃ今度紗夜ちゃんが来たら、お祝いに何かサービスしてあげなきゃな! ハハハッ!」
「いつも心配してもらってすみません、本っ当、ありがとうございまーす!」
気さくに大きく笑うマスターに向かって、カウンター越しに頭を下げた。
「なぁに、いいっていいって!
もう長い付き合いなんだから、なっ!」
そう言ってまた笑うと、マスターは目の前のカウンターに座る少年の、ぽかんとした表情に気付いた。
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