兄妹の生活<1>

2/8
前へ
/95ページ
次へ
土曜のランチタイムのピークが終わり、14時半過ぎ、Canvas.は夕方からの営業に備えて一旦店を閉めて準備中になる。 片付けと清掃を済ませ、15時に俺は今日のCanvas.での仕事を終える。 事務所で私服に着替え、厨房で昼食のまかない料理を作っていたマスター達に顔を出す。 「じゃっ、今日もお疲れ様でしたー!」 「おぅ! お疲れさん!」 「十夜くん、あの子圧倒されてたわよ?」 俺を見るなり苦笑したおかみさんを目にしてはっとする。 面接の少年がいた事なんて、すっかり忘れていた。 いつ帰ったのかも気付かなかったし…、ま、いてもいなくても同じ事だが。 「いい手本になったさ!なぁ?」 「ははっ、照れますよ? 俺w」 炒め物をしながら笑うマスターに、俺も苦笑する。 「それじゃ、紗夜ちゃんによろしくな!」 「はい、ありがとうございます」 マスターにそう言い、厨房の奥にいたおかみさん達にも会釈をして、俺は店を出た。
/95ページ

最初のコメントを投稿しよう!

70人が本棚に入れています
本棚に追加