『右側』

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そうして迎えた土日には、なんと車で5時間もかけて●●県へと到着した。 母は長年シュンの母親をやっているだけあって、薄々何かを察していた様子だった。 それは私も同じで、なんとなく嫌な予感はしていた。だってシュンが珍しく大きな鞄を持っているから!(シュンは荷物になるのが嫌いらしく、基本はケツポケに全部入れている)大きな鞄がとても重要だ。絶対なんかある!! そうして何年かぶりにやって来た〇〇神社に、懐かしいと思う反面、思い出した事があった。 「そいや私さー、この神社で蛇見付けたよね」 母「懐かしいわねー。この神社だっけ??」 「多分そう。すんごい綺麗な色でさ、黄色っぽいような白いような。爬虫類マニアが喜びそうな蛇だったよね」 母「だったよねとか言われても、お母さん見てないからね」 「…あー、そうだったっけ?」 幼稚園の年中だか年長だか。 まあ忘れたけれど、その当時自宅から近かったこの神社は格好の遊び場だった。 私とシュンと、近所の子らでずーっと遊び回ってたのを覚えている。
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