『右側』

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子供の頃って怖いもの知らずで、今なら罰当たりだ!と思う事も平気でやってたなあ~なんて笑ってから ハッと息を飲んだ。 (まさか…) ばっとシュンを振り替えれば、鞄を担ぎ直した所で目があった。 クンと顎で神社に促され、着いてこいと無言の重圧。 母は車で待ってて貰うよう言い残してから、私とシュンは神社に入って行った。 時間は16時、夕方近い。 私は途端に怖くなった。 (まさか…) 「ねぇ…ねぇってば!」 「……なに?」 「…もしかして私、ガチで罰当たりな事しちゃってたの?」 そんなまさか、と思う。 だって、どうして私だけなのか、と。 神社で遊ぶ時はシュンか友達が居た。 もしかして、その時の友達にも何かあるんじゃないのか、と不安になった。 松葉杖で歩きづらいのに、シュンは構わず先に進む。 なんで今? 怪我してない時にでも良いじゃないか。 そうして鈍い私はここで漸く気付いたのだ。 (今年は2年周期の年なんだ、) と。 そしてその周期は偶然だったのでは無く、『シュンが感じる“ナニカ”の所為』だったのだ、と。 だからシュンは「気を付けろ」と2年毎に言っていたのだ。
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