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シュンはレジャーシートや縄を片付けて、そのまま神主さんに話をしに行った。
私はそのまま車に戻ったので、シュンがどう説明したのか分からないが
車に戻った時に母を見てそのまま足の怪我など忘れて泣きついたのを覚えている。
その時はまだ右腕に感触が残っていて、服をめくればやっぱり痣が残っていた。
流石にそれは母には見せなかったけれど、縄の跡じゃなく、本当に蛇に巻き付かれていたような痣だったので今更ながら背筋がゾッとした。
帰りの車の中で、私とシュンは後ろの席に座って私はなんとなく居心地が悪かった。助手席に乗れば良かったと思ったけど、シュンが押し込むように乗ってきたのでタイミングを逃したのだ。
「そういえばさ…」
空気をまぎらわそうとして、私がシュンに話し掛ける。
「結局、アレってなんだったの?」
「………ああ、まあなんて言うか。爬虫類だけど動物霊、みたいな」
「爬虫類なのに…?」
「他に言い方知らないもん」
「本当テキトーだね。で、それがなんなの?」
「んー…まあ、詳しくは知らないよ?霊視なんて出来ないし。つか別に俺は霊能者じゃないし」
「知ってるっての」
「多分だぞ。多分、アレは飼育されてた蛇が卵産んじゃったんだと思う。で、飼いきれなくて殺しちゃったんじゃねーかなって。だから黄色っぽいのは産まれたてで、色素とか定着してないからそんな色だったんだと…思う」
「……」
「それ事態は自然淘汰だから、別に問題は無いと思うけど。…殺し方が悪かった」
「……」
「頭がアレな奴だったんじゃない?とにかく残虐な殺し方だったんだろ。蛇は納得出来なかったと思う」
「…可哀想」
「きっとあの神社の近くか、兎に角場所は近辺だったんだよ。だからあの神社は妥当。」
語るシュンの顔は、内容とは裏腹になんとも思ってないような表情だった。関心があまり無いような感じだ。
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