『右側』

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不思議な事に…あ、不思議じゃないか。姉弟だし。 私が右側を怪我する時、一番初めに気付くのは必ずシュンだった。 一輪車の時は 「今日は家の中で遊ぼう」 と注意されてたのに無視しちゃって、結局一番最初に駆け付けてくれた。 屋根から飛び降りた時は 「痛いのって一昨日からでしょ。ほんと馬鹿だよね」 とヒビ入った足をぺしっと叩いた。涙目で弟に反撃(むしろ倍返し)したら数日後親にチクられた。 耳瘻孔の時は 1週間ぐらい毎日「耳痛くない?」と聞いてきて、ある日本当に痛くなってそれで発覚。 どれもこれも、まるで予知していたかのようだった。
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