5人が本棚に入れています
本棚に追加
エミリアが話を始める。
「そりゃ、今まで発見されていたレリクスはSEED襲来があったときばかりに昨日を覚醒させてたよ?でも、全部が全部そうだったかっていうとそういうわけじゃなかったんだよね、一説によると、SEEDの散布する素粒子に反応して起動しているみたい…だけど、同時に磁場の乱れも観測されるからどうもそれだけじゃないと思うのよね、そもそもSEEDは三年前に一掃されたはずなのに、こうしてレリクスは起動してるわけでしょ…レリクス自体が何らかのプログラム管理である以上はトリガーとなるものも、それに準じた……」
そこでハッとしたような表情になった。
クロニカも唖然としている。
「…あ、え…ええっとー…」
「詳しいね」
エミリアが頬を掻きながら苦笑。
「あ、いや……こ、このくらい常識でしょ?」
そう言ってから強張った表情をする。
「常識!常識だって!傭兵だったら誰だってこれぐらい知ってて当然なの!」
エミリアはどんどん近づいてくる。
後退るクロニカ。
「いい、今の説明は忘れて、どうせあたしがなに言ったって誰も信じてくれないんだし!」
柱に背中がついてこれ以上後ろには下がれないが、エミリアが目の前まで迫って来た。
「し、信じるよ」
そう言うとエミリアはキョトンてする。
「え…?信じて…くれるの?」
目の前にエミリアの整った顔。長いまつげ赤い瞳。金色の髪。
そんな彼女を見ていて、自分の頬が熱くなるのを感じた。
「…って、こんなこと話してる場合じゃない!もう、いいから先に進もう!」
先に行こうとするエミリアの服の裾を掴む。
戦いに出るときとは逆になっていた。
「す、少し休んでいかない?」
「えっ、どうしたの?」
前屈みな状態で、赤い顔のまま目を泳がせながら、クロニカは笑う。
なんだかわからないが休むと言うなら休むことにした。
「あ、ありがとうね♪」
満面の笑みで言うと、エミリアが横で柱に寄りかかり座る。
クロニカも座った。
二人の僅かな休息だ。
最初のコメントを投稿しよう!