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そんな流れで進んでいき、クロニカとエミリアはいくつかのフロアを抜けていった。
「原生生物、結構多いね」
ここまで前線でセイバーを振っていたにも関わらず、まったく息を切らさず、クロニカがまた一体バルシャークを倒す。
後ろにいるエミリアは息を切らしながらその光景を見ていた。
「すごい、さすが傭兵って感じ」
「エミリアのテクニックも良いサポートになってるよ?」
表情を緩めるエミリア。
「なんか、ちょっとホッとしたよ、あんたがいれば安全っぽいしさ」
「そんなことないよ、私パノンに負けたりするし」
「またまた冗談」
苦笑するクロニカの言葉を流すエミリア。
すぐ俯いて、ぼやきだす。
「あたしは軍事会社に登録されてるだけで戦う気とか、これっぽっちもなかったのに…」
溜め息をつくエミリアの話を、クロニカが聞いている。
「だっていうのに、あのおっさんあたしが働かないからって、ムリヤリ連れ出してこんな危険なレリクスにほっぽって…」
なんだか言葉に怒気が含まれていく。
「あー、なんかだをだんハラが立ってきた!こんなかよわい女の子を、一人にするなんて酷いと思わない?」
同意を求められて、クロニカが宙を見て思う。
「(確かに、原生生物に交尾されそうになるし、この歳の子には危険な気が…でも、私だけかな?)」
ずっと宙を見て考えていると、エミリアが不思議そうな顔をしている。
「ん、どうしたの?そんな微妙そうな顔して」
「んっ!?いや全然、なんでもないから!!」
そう言って否定すると、頷くエミリア。
そしてまた怒ったような表情にする。
「とにかく、あんたがいれば無事に変えれるような気もするし、おっさんにはあとで文句いいまくってやる!SEEDはもう存在しないからレリクスは安全だ、とかいいはってあたしのいうこと信じてくれないしさ」
エミリアが顎に手を当てて、目を瞑る。
なんだかそう見ると聡明な学者か何かに見えた。
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