第一章<翼を抱いた少女>

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そんな流れで進んでいき、クロニカとエミリアはいくつかのフロアを抜けていった。 「原生生物、結構多いね」 ここまで前線でセイバーを振っていたにも関わらず、まったく息を切らさず、クロニカがまた一体バルシャークを倒す。 後ろにいるエミリアは息を切らしながらその光景を見ていた。 「すごい、さすが傭兵って感じ」 「エミリアのテクニックも良いサポートになってるよ?」 表情を緩めるエミリア。 「なんか、ちょっとホッとしたよ、あんたがいれば安全っぽいしさ」 「そんなことないよ、私パノンに負けたりするし」 「またまた冗談」 苦笑するクロニカの言葉を流すエミリア。 すぐ俯いて、ぼやきだす。 「あたしは軍事会社に登録されてるだけで戦う気とか、これっぽっちもなかったのに…」 溜め息をつくエミリアの話を、クロニカが聞いている。 「だっていうのに、あのおっさんあたしが働かないからって、ムリヤリ連れ出してこんな危険なレリクスにほっぽって…」 なんだか言葉に怒気が含まれていく。 「あー、なんかだをだんハラが立ってきた!こんなかよわい女の子を、一人にするなんて酷いと思わない?」 同意を求められて、クロニカが宙を見て思う。 「(確かに、原生生物に交尾されそうになるし、この歳の子には危険な気が…でも、私だけかな?)」 ずっと宙を見て考えていると、エミリアが不思議そうな顔をしている。 「ん、どうしたの?そんな微妙そうな顔して」 「んっ!?いや全然、なんでもないから!!」 そう言って否定すると、頷くエミリア。 そしてまた怒ったような表情にする。 「とにかく、あんたがいれば無事に変えれるような気もするし、おっさんにはあとで文句いいまくってやる!SEEDはもう存在しないからレリクスは安全だ、とかいいはってあたしのいうこと信じてくれないしさ」 エミリアが顎に手を当てて、目を瞑る。 なんだかそう見ると聡明な学者か何かに見えた。
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