プロローグ<ツイてる彼女>

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依頼を終えて、彼女はパルムの自宅へと帰ってきた。 現在、家には大きなシャワーの音が響くのみ。 シャワーと声。二つの音が止み数十分経ち、それからさらに数分して、バスルームから女性が一人出てきた。 「つ、疲れた…」 彼女は下着の上にワイシャツ一枚を着ているだけだ。 大きな胸のせいでパツンパツンになっているワイシャツ。 「はぁ~…五回も出すんじゃなかった」 疲れた表情でテーブルを見る。 テーブルの上には依頼主であるグリングリンファームの、レムリア・ノルフェから払われた依頼料が置かれていた。 それを確認してから、彼女は大きく伸びをする。 大きな胸が強調されて、着ていたワイシャツの胸元のボタンが弾け飛ぶ。 ボタンが部屋を跳ねて女性の額に当たった。 「痛っ!」 ワイシャツの真ん中部分が開いていて、女性の豊満な胸が丸出しだった。 「もぉ~…また服が駄目になったよ」 深い溜め息を吐いて、彼女はワイシャツを脱ぐ。 服掛けに掛けてある服を取り着替えを始めた。 「そういえば、依頼が一つ来てたんだっけ」 確か依頼はレリクス調査だった。 大手のスポンサーがついているのだろう。依頼料は中々に良い値である。 「よいしょっと」 着替えが終わり、チャックを上げる。 まぁチャックも途中までしか上がらないのだが、一応着替えは終わりだ。 「またカレンに服見繕ってもらお」 今着ているのはSEED事変の時、友人のカレン・エラが着ていた服のサイズ違いの服だ。 その服を着て、二の腕まであるオープンフィンガーの手袋をつけて、黒いオーバーニーソックスを穿く。 ムッチリとした太股を締め付けるニーソだが、特に不自由は無い。 「良し!」 依頼のデータを呼び出して頷くと、彼女は持っていく物を選ぶことにした。 ツイてる傭兵。クロニカ・レメディアはこうしてあの少女と出会うこととなる。
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