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この海底レリクスの、未開の地である扉を開いた。
息を殺してみると、そこには沢山の原生生物たちがいるのがわかる。
「あぁ、やっぱり原生生物がわんさかいる、見逃してくれたり、しないよねぇ…」
肩を落とすエミリアを見て、何を言いたいのかなんとなく感づくクロニカ。
「…あの、えっと、えっとね…直前でこんなこと言うのはなんだけど、実は戦闘経験なんてほとんどないの」
あぁ、やはり。
感はハズレて居なかったと苦笑する。
「だから、頑張って!あたしは応援してる!!」
そう言って後ろに隠れられた。
出かかった溜め息を飲み込んで、その手にクロニカは主力武器<アンビシオン>をナノトランスさせる。
「さて、ちゃっちゃとけりをつけちゃうかな」
隠れていた場所から、転がるように外に出た。
原生生物バルシャーク三体の視線が一斉にクロニカを捉える。
「ハァッ!」
一体のバルシャークの前に走ると、アンビシオンを片手で一度振る。
バルシャークの腕が切断されて中を舞う。
その後、さらに二度振るうと、バルシャークは三つの肉片に変わる。
「まだっ!」
さらに、一番近い一体へと向かうと、口元に笑みを浮かべた。
「そこぉっ!」
アンビシオンが一瞬、強く光を放つ、それとほぼ同時に斬撃が放たれた。
三度振られた斬撃は先までと違い、さらに強力でセイバーのリーチ以上の柱なども切り裂く。
「インフェニット…」
そして、クロニカはアンビシオンを両手で持ち……
「…ストーム!!」
振り下ろした。
振り下ろしたのは一度それなのに、幾度もの斬撃がバルシャークを切り裂く。
その光景を唖然としながら見ているエミリア。
だが、その表情はすぐに驚きのものへと変わった。
最後の一体が、クロニカの背後で腕を振り上げているのだ。
「あぶ…」
ない。と言おうとしたが、クロニカは早かった。
いつの間にかクロニカの手にはハンドガン<H10ミズーリ>が握られ、素早く振り向くと同時にそのハンドガンでバルシャークの腕を撃つ。
H10ミズーリ特有の、実弾が撃ち出される音が響くとバルシャークの腕が撃ち抜かれ落ちた。
そして、銃口はバルシャークの鼻先へと押し付けられる。
「ごめんね」
引き金が引かれると、再び爆発したような音がした。
バルシャークが倒れて、そこにはクロニカが立っている。
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