第一章<翼を抱いた少女>

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この海底レリクスの、未開の地である扉を開いた。 息を殺してみると、そこには沢山の原生生物たちがいるのがわかる。 「あぁ、やっぱり原生生物がわんさかいる、見逃してくれたり、しないよねぇ…」 肩を落とすエミリアを見て、何を言いたいのかなんとなく感づくクロニカ。 「…あの、えっと、えっとね…直前でこんなこと言うのはなんだけど、実は戦闘経験なんてほとんどないの」 あぁ、やはり。 感はハズレて居なかったと苦笑する。 「だから、頑張って!あたしは応援してる!!」 そう言って後ろに隠れられた。 出かかった溜め息を飲み込んで、その手にクロニカは主力武器<アンビシオン>をナノトランスさせる。 「さて、ちゃっちゃとけりをつけちゃうかな」 隠れていた場所から、転がるように外に出た。 原生生物バルシャーク三体の視線が一斉にクロニカを捉える。 「ハァッ!」 一体のバルシャークの前に走ると、アンビシオンを片手で一度振る。 バルシャークの腕が切断されて中を舞う。 その後、さらに二度振るうと、バルシャークは三つの肉片に変わる。 「まだっ!」 さらに、一番近い一体へと向かうと、口元に笑みを浮かべた。 「そこぉっ!」 アンビシオンが一瞬、強く光を放つ、それとほぼ同時に斬撃が放たれた。 三度振られた斬撃は先までと違い、さらに強力でセイバーのリーチ以上の柱なども切り裂く。 「インフェニット…」 そして、クロニカはアンビシオンを両手で持ち…… 「…ストーム!!」 振り下ろした。 振り下ろしたのは一度それなのに、幾度もの斬撃がバルシャークを切り裂く。 その光景を唖然としながら見ているエミリア。 だが、その表情はすぐに驚きのものへと変わった。 最後の一体が、クロニカの背後で腕を振り上げているのだ。 「あぶ…」 ない。と言おうとしたが、クロニカは早かった。 いつの間にかクロニカの手にはハンドガン<H10ミズーリ>が握られ、素早く振り向くと同時にそのハンドガンでバルシャークの腕を撃つ。 H10ミズーリ特有の、実弾が撃ち出される音が響くとバルシャークの腕が撃ち抜かれ落ちた。 そして、銃口はバルシャークの鼻先へと押し付けられる。 「ごめんね」 引き金が引かれると、再び爆発したような音がした。 バルシャークが倒れて、そこにはクロニカが立っている。
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