眠れぬ街の眠れぬ不死者

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あれからどれだけの歳月が流れただろう。 遥かに遠く遠い昔さ。 あの頃より空は低く、海は淀み人々は疲れ切っている。 侍のいない世界。 人工的な光に埋もれた世界。 美しくも無機質な世界。 誰一人刀など持たず、ケータイ片手に急がしそうだ。 私はここへ取り残された。 斬ってなんぼの死客の人生。 夜叉になるのも無理はない。
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