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だが私が一番心を痛めたのはウサギの言葉だった。
お母さんが虐めるの。それだけ言って口を結んでしまったが、彼女の健康そうな肌に映える紫の痣が皆まで言わずとも全てを理解させた。
きっと彼女を救う選択肢は山ほどあるはずだ。
だがウサギは頑なにそれを拒んだ。
「三人一緒って言ったじゃん!」
そしてようやく気付かされる。
あの自殺掲示板でのチャットこそが彼女の唯一の拠り所だったのだと。無意識に目頭が熱くなる。なんと不憫な子だろうか……。
「ヤギはどうして死のうと思ったの?」
思いついたように聞いてきたのはマウスだった。
この頃になると我々はHNで呼び合うのに違和感を感じることなく、まるで昔からの旧友同士のように話していた。
彼が私にその経緯を聞いてきたのもそれが手助けしたのだろう。
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