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準備も整い、私達は練炭に円を囲んでしばし会話を弾ませた。
ネズミはどうやら都内で大工見習いをしていたらしい。
図体ばかりデカくて気が小さい為、反りの合わない先輩方に執拗な虐めを受けていたとか。
命を自ら絶つのにはだいぶ抵抗があったがもう堪えきれないとも言っていた。
練炭自殺も彼の希望で、両親にもらった大切な身体を傷つけたくないとの事。
今時珍しく優しい子だ。しかしどうしてこんな良い子が自殺という選択肢を選ばねばならないのか。
やはり時代が変わってきたのだと思うと、なんともやりきれない気持ちになる。
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