第11章

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刹那、流歌と未来も髪と瞳を桃色に染め、凄まじい勢力の魔力兵装を纏う。 【天軍総長】を纏う咲羅と真琴の放った空気の震えと、流歌と未来の放つ震えがぶつかった。 すると、4人のちょうど中間地点で青白い火花のようなものが乾いた音を立てて弾けた。 異なる性質の魔力がぶつかり合い、反応を起こしているのだ。 流歌がそれを見たのとほぼ同時に、彼女の目の前へ、地面と垂直に魔法陣が現れた。 直径2メートルほどのそれはパレ・カルディナルの別室へ通じる魔法陣のようだった。 「流歌さんはそれにお入りください」 そう言葉を投げてきた真琴は、単に冷たい視線ではなく、意思のこもった強い視線を送ってきていた。 彼女は本気だと、流歌は瞬間で悟る。 魔眼の力を借りた《五大頂》と、本気で戦う。 それは魔眼所有者本人である流歌にでさえ、緊張を禁じ得なかった。文字通り、命を賭けた勝負となるだろう。 しかし、それと同じだけの自信があるのもまた、事実なのだ。 「わかりました」 1つ、大きな息を吐きだした流歌は、未来に振り返ることなく魔法陣の先へ足を踏み入れる。
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