第11章

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未来も改めて流歌を引き留めるようなことはせず。 彼女は魔法陣の先へ飲み込まれた流歌を静かに見送った。 視線を咲羅に戻せば真琴の姿もなくなっており、残るは咲羅だけとなっていた。 「もう細かい御託は抜きだ、未来ちゃん」 彼は長さ3メートルの光の槍を8本、自身の周囲に浮遊させている。 未来にはそれに、見覚えがあった。 “ほむほむ先輩と戦ってたときのだぁ……変わってないんだぁ” 自分の知る限り、咲羅自身は魔眼の効果によって、自分のように特別な術式を扱ってくることはなかったはずだ。 それでも、魔眼の力は彼の基礎戦闘力を爆発的に跳ね上げているはずで、 “大っきい魔法をたくさんうってきたりもできるよねぇ……?” 可能性はまさに未知数。ならば、最大級の警戒をしておくしかない。 未来は両手の拳を低い位置で握り込むと、甲と足元に魔法陣を展開した。 「【天殲恋華】:効力発現  ────身体機能神格化」 『承認:  魔人【狂性の主】  ────展開します  』 その瞬間、未来の全身に魔法陣の幾何学模様がタトゥーのように描かれていく。
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