第11章

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腕や足は言うに及ばず、未来の顔面や右目もそれは侵食した。 それを見た咲羅は、「へぇ」と感心したような声を漏らした。 「攻撃だとか防御だとかに限らず、全身を強化したんだ?」 しかし、未来はその言葉に反応しない。 何の前触れもなく、彼女は転移魔法を発動したからだ。 向かう先は、咲羅の背後。 「っ!!」 現れた未来はすでに攻撃を放っていた。 右足を踏み込んだ右肘の突き込み。背骨の真上を狙った容赦のない一撃だ。 だが、それは咲羅の纏う槍の一振りが自動で防いできた。 「危ないな」 かすかに苦笑をこぼした咲羅と共に、未来は見る。 残る7振りの槍が切っ先を未来へ向けて、放射状に展開したのである。
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